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2017年09月23日

「歴史の清算のための移民・難民受け入れ」という主張が理論上成立しない理由

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北朝鮮情勢、安倍首相の保身のための解散、ドイツ選挙など、色々書きたいことはありますが、更新頻度の関係もあり、当面はリアルタイム性の少ない内容を発信しております。

さて、北朝鮮問題に関連して、朝鮮半島有事・難民関係で心配なこととして、このような主張が台頭する可能性があります。
「日本は過去の植民地政策の代償として、朝鮮半島から難民を受け入れるべきだ!」
歴史認識の問題をご存知の皆さまであれば、慰安婦問題をはじめとして捏造された歴史を理由に日本が難民を受け入れる筋合いなどありません。しかし、もう一つ例を挙げると、ドイツではなぜあれだけ難民を受け入れても、国民レベルの抗議行動が被害に比例するほど多くはなく、メルケル首相への支持も高いのか。それは、日本同様、あるいはそれ以上の自虐史観が大きな理由ではないかと考えています。つまり、「ナチスの行いの代償として、難民受け入れはやむなし、多少外国人によって自分たちの生活が乱されても、他民族に酷いことをしてきた歴史を持つので仕方ない」といった考え方です。日本と違って、欧米はより他国を虐げる形での植民地支配をしてきたことは事実ですので、日本の移民反対派の中にも、「植民地支配の代償として、ヨーロッパに移民難民がやってくるのは仕方ない」と述べる方もいらっしゃいます。

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ここからは意見が割れるところかもしれませんが、ブログ主は、少なくとも理論上は、「歴史の清算」を理由に移民・難民を受け入れるのは、いかなる歴史(但し本記事の最後に示す一つの例外を除いて、ですが)があっても、やってはならない行為であると考えています。それは、受け入れ国の国柄保持のためだけではなく、今後さらに「清算」を必要とするような歴史がこれ以上世界で刻まれないためにもです。

いくつかの理由を上げます。
1.移民・難民受け入れでより影響を受けるのは、歴史に責任のある世代ではなくその子孫であり、時代が先になればなるほどその悪影響が大きくなる。
本来なら、「歴史の清算」が理由であれば、最も責任のあるはずの世代、少なくとも彼らが生きている期間が、最もその清算による影響を受けて然るべきでしょう。しかし、当サイトで何度もお伝えしているように、移民・難民受け入れで最も悪影響を受けるのは、受け入れを決めた世代ではなく、彼らの何世代も後の国民です。文化・伝統の破壊も、治安の悪化も、雇用の奪い合いも、移民難民を受け入れた次の日に起こるのではなく、数十年、あるいは百年を超す単位でじわじわと国が内側から破壊されていくのです。

そして、負の歴史に直接かかわった世代であれば、「仕方ない」という気持ちであったとしても、それが何世代も後であれば、「何百年も前の先祖の行いに対してなぜ我々がこんな目に合わなくてはならないのか!」という憎悪の念のほうが強くなっていきます。そしてそれは以下に示す通り、新たな「清算すべき歴史」を生みます。

2.過去にいがみ合っていた国の国民同士が形ばかりの同居をすることにより、最終的には民族対立に発展する。
そもそも「歴史の清算」といった名目で受け入れた移民難民など、経済水準が同等の友好国ではなく、過去に支配・被支配の関係にあったり歴史認識を巡って対立関係にあったり、受け入れ国よりも格段に貧しい国の出身であることがほとんどでしょう。そのような国の人々が受け入れ国の国民とうまく融合すること自体、一般的な移民受け入れにさらに輪をかけて大変な困難を伴います。さらに、こうした理由で受け入れる国は、特定の一、二か国になりますので、その国の人同士でまとまって住むことも可能になります。

結果的に、お互いに距離を置いて暮らす→外国人が集住し、「国の中の国ができる」状態となる→「国の中の国」が政治力を持つ→大規模な民族対立に発展、という可能性が十分あるのではないでしょうか。

3.前例が増えれば増えるほど、「誤った歴史認識」を振りかざす国が、移民・難民を受け入れてもらう口実に歴史問題を利用するようになる。
日本にとっての中国・朝鮮問題が典型例ですが、そもそも歴史認識は国によって異なり、事実と異なったものであっても発言力が強い国、国家ぐるみで嘘をつくことをいとわないような国の歴史認識がまかり通ってしまう例は枚挙にいとまがありません。従って、「歴史認識」を武器に、難民や経済移民を押し付けることができるという前例が増えれば増えるほど、ますます自国の移民・難民を受け入れて欲しいがために、国家ぐるみで歴史問題を声高に叫ぶような国が増えていくでしょう。

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4.上記の結果として、新たな「負の歴史」が発生し、そこで新たな人の移動が発生することで、世界秩序そのものがますますカオス化する。
2と3にあるように、歴史の清算を理由にした移民・難民受け入れによって、民族対立や国と国同士の歴史認識を巡る対立はますます複雑化・深刻化します。民族対立は新たな内戦に発展し、結果的にさらなる「負の歴史」が生まれるという皮肉な結果になる可能性もあるでしょう。そうした内戦により難民が発生した場合、さらにその受け入れを巡って国際的な対立も生じ、それまで無関係だった国も難民受け入れ候補先となるなど世界秩序はさらに崩れ、カオス状態になるでしょう。

誤解していただきたくないこととして、ブログ主は、(特に欧米が近代に行ったような)植民地支配、虐殺、搾取といった負の歴史を反故にしようと主張しているわけでは毛頭ありません。歴史の清算が行われるとしたら、虐げた国に対しての財政的な援助、自立支援、文化・伝統の保護や環境保全への協力といった別の形で行われるべきであり、「移民・難民受け入れにより歴史が清算される」というのは理論上間違いである、と申し上げたいにすぎません。

但し、南北アメリカのように、特に近代以降において「大量移民による内部侵略」そのものが負の歴史として存在するケースにおいては、どう対処すべきかは非常に難しい問題です。どれくらい前の歴史なのか、「内部侵略」の形態(一方的な大量移民なのか、自国のリーダーの間違った政策が悲劇を招いたのか)、侵略された側の人口規模などによってその答えは変わると思われますが、こうした事例の「清算」をどうすべきなのかは、正直答えが出ません。二つだけはっきり言えるのは、そもそもそのような悲劇を作ってしまったのは「移民政策」に外ならないということ。そしてその「移民政策による過ちへの代償」も複雑で難しい問題となりうるということです。難民や外国人労働者受け入れを含めた「移民政策」は歴史に暗い影を落とし、今でも落とし続けているのです。

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posted by AOI at 17:48| Comment(0) | 行動しよう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする